発祥の地bannar
宮中御神楽歌発祥之碑
 [きゅうちゅうみかぐらうたはっしょうのひ]


場所
京都府京田辺市大住池平
コメント
JR学研都市線の大住駅から北西に 1km。
大住小学校と大住中学校の間に 月読神社がある。 神社の正面石鳥居に向かって 20mほど左(南)の植え込みの中に隠れるように 黒御影石の石碑が建っている。

“神楽”は 神前に奉納するために奏される歌と舞のことで,宮中で行われる御神楽(みかぐら)と 民間で行われる里神楽(さとかぐら)とがある。
里神楽では 舞や演劇が発達したため 歌を必要とする部分は少ないが, 宮中の御神楽では 神楽がすべて歌で進行し,歌が神楽の内容そのものである。
宮中の御神楽歌は古く,ほとんどは 31文字の和歌。奈良時代から引き継がれた曲調で歌われる。
庭燎(にわび)・採物(とりもの)・大前張(おおさいばり)・小前張(こさいばり)・星歌・雑歌(ぞうか)などの曲があり, 笛・篳篥(ひちりき)・和琴(わごん)に合わせて歌い合う という。

ところで この宮中御神楽歌が,どうして京田辺の発祥なのかは あまりはっきりしない。
碑文に添えられた説明文には 単に「外山は 田辺町大住の外山である」と書かれているのみで, 発祥の地とされる根拠にはなっていないのが やや不満である。

撮影日
2009年11月
碑文
宮中御神楽歌発祥之碑

   庭燎
  深山には
  霰降るらし
  外山なる
  まさきの葛
  色づきにけり

(説明板)
  御神楽歌
神楽は,宮中の神楽を「御神楽」(みかぐら),一般の神楽を「里神楽」(さとかぐら)と言う。
御神楽で最初に演奏されるのは「庭燎」(にわび)の歌である。

   深山には霰降るらし 外山なる
   まさきの葛 色づきにけり
   色づきにけり

歌中にある外(と)山とは,山城大住(田辺町)の外山(中心山荘が建つ丘)で,ここに上ると,遙かに南に深(み)山に当る神秘的な甘南備山(かんなびやま)が拝され,この歌そのままの気分になる。

深山にはもう霰が降っているらしいが,ここ外山はまだやっとまさきの葛(かつら)が色づいたばかりである−−霜月(旧11月23日頃)の招神の歌にまことに相応しい歌である。

この名歌によって太平の昔,大住の里人たちがこの外山に神籬(ひもろぎ)を造り,甘南備山から月読神を迎え,暁に及んで,麓の端(は)山「月読神社」(つきよみじんじゃ)に遷した光景がしみじみと偲ばれる。

           文学博士 志賀 剛 先生著
           「日本の芸能の主流」より
           碑文 常岡一郎 書


 
宮中御神楽歌発祥之碑
宮中御神楽歌発祥之碑