鎧の渡し跡
所在地 中央区日本橋小網町8・9番地〜日本橋茅場町1丁目・日本橋兜町1番
鎧の渡しは, 江戸元禄年間以来の地図や地誌類にも記される渡し場で,
明治5年(1872)に鎧橋が架けられるまで存続しました。
伝説によると, 平安の昔, 源頼義が奥州討伐の途中, ここで暴風逆浪にあい,
よろいを海中に投げ入れ竜神に祈りを捧げたところ,
無事に渡ることができたので, 以来ここを鎧が淵と呼んだといわれます。
一説には平将門が兜と鎧を納めたところとも伝えられています。
「江戸名所図会」や安藤広重の「名所江戸百景」には, 渡しの図が描かれ,
また, この渡しを詠んだ俳句や狂歌等も知られています。
縁日に 買ふてぞ帰る おもだかも
逆さにうつる 鎧のわたし
和朝亭 国盛
平成6年3月 中央区教育委員会