渡し碑コレクション
鎧の渡し  [よろいのわたし] 


場所
東京都中央区日本橋兜町〜日本橋小網町〜日本橋茅場町
コメント
東京証券取引所のすぐ横を 日本橋川 が流れており, 明治初年 この地に 兜橋 が架けられるまで 渡し船が使われていた。

日本橋川は 隅田川の支流で, 鎧橋の他には 京橋・日本橋 など 有名な橋が架かっている。
隅田川・多摩川 など 大きな川には 多数の 渡し跡が残っているが, 都心に残る 渡し跡は, おそらくここだけではないかと思われる。
日本橋兜町・茅場町は 銀行や証券会社が集中する 金融の中心地で, このような場所に 渡し船の跡があるとは, 全く場違いな印象を受ける。
現在の日本橋川は ほんの 10〜20mの幅で, 何故こんな場所に 渡し船が必要だったのか不思議に感じる。

撮影日
2002年7月
碑文
鎧の渡し跡
     所在地 中央区日本橋小網町8・9番地〜日本橋茅場町1丁目・日本橋兜町1番

 鎧の渡しは, 江戸元禄年間以来の地図や地誌類にも記される渡し場で, 明治5年(1872)に鎧橋が架けられるまで存続しました。
 伝説によると, 平安の昔, 源頼義が奥州討伐の途中, ここで暴風逆浪にあい, よろいを海中に投げ入れ竜神に祈りを捧げたところ, 無事に渡ることができたので, 以来ここを鎧が淵と呼んだといわれます。 一説には平将門が兜と鎧を納めたところとも伝えられています。
 「江戸名所図会」や安藤広重の「名所江戸百景」には, 渡しの図が描かれ, また, この渡しを詠んだ俳句や狂歌等も知られています。

    縁日に 買ふてぞ帰る おもだかも
        逆さにうつる 鎧のわたし
                和朝亭 国盛

           平成6年3月   中央区教育委員会

鎧の渡し跡 鎧の渡し跡
「鎧の渡し跡」碑
東京証券取引所