市指定史跡
旧厚木村渡船場跡
この地は, 矢倉沢往還や藤沢道が相模川を渡る
渡船場で, 常時5艘の舟が備えられ, 旅人などに
利用されていました。
江戸時代に刊行された「新編相模国風土記稿」の
記述によると, 冬の渇水期には土橋が設けられて
いました。
この渡船の厚木側の権利は, 厚木の名主溝呂木
家がもっていましたが, これは, 徳川家康から与
えられたものと伝えられています。
天保2年(1831)9月, 矢倉沢往還を通って
厚木を訪れた渡辺崋山は, 「厚木六勝」図を残して
いますが, その一つ「仮屋喚渡(かりやのかんと)」は, この場所を描
いたものです。
明治41年(1908), 相模橋の開通によっ
て, この渡船は廃止され, その役目を終えました。
平成3年3月
厚木市教育委員会