節分
[98-02-09]
ちょっと時期遅れの話になってしまったが・・・
2月3日の夕方, 会社の近くのスーパーに行ったら, 店の中に 上の写真のようなポスターがベタベタと貼られて, 寿司の売場には 切らずに長いままの太巻きが 山のように売られていた。
- 「福をもたらす 巻ずし。節分に丸かぶり」
- 「節分の夜は 丸かぶり 巻きずし」
- 「節分に 幸運の巻ずし 丸かぶり」
駅の前には 某仕出し屋のワゴン車が停まっていて, ここにも 巻き寿司が山積みされて 若い女性が大声を張り上げて 通勤帰りの人に売っていた。
関西の節分は とても面白い。
という習慣がある。それも 一部の家庭だけに伝わる風習ということではなく, やらない人は一人もいない(ホンマかいな?) というくらい ほとんどの家庭で 行われている行事であるらしい。
- 節分の日には, 家族そろって,
- その年の方角 (恵方) を向いて,
- 巻き寿司 (のり巻き)を食べる。
- 寿司は切らないで 長いまま“かぶる”。
「恵方」(えほう)というのは, その年の干支(えと)に基づいてきめられる 縁起のよい方角のことで, 多くの幸福がこの方角に集まるということなのだそうだ。 正月に 「恵方参り」と称して その方角にある神社・寺などに参拝する という風習はどこにでもあるが, その方角のこと。 ちなみに 今年の恵方は 『南南東』だとか。また この習慣にはオプション?があって, 一部には
というやりかたもあるらしい。
- 一本の寿司を全部食べ終わるまで口をきかない
- アハハ・・・と笑いながら食べる
こういう節分のやり方は 関西で行われる とは聞いているが, どこからどこまでの地域なのかは よくわからなかった。 インターネットで検索して調べてみたのだが, どうやら名古屋や四国あたりにはそういう習慣はないようなので, 西日本全域と言うような 広い地域ではないと思われる。
(その辺の事情を知っていたら 教えてほしい)というわけで, 2月3日の夜には あちこちの家で, みんなで 南南東の方角を向いて 一斉に巻き寿司を食べていたわけだ。想像するだけでも 面白い。
2月2日の新聞の読者欄に こんなことが書かれていた。
もうすぐ節分ですね。その年の方角に向いて巻きずしを丸かぶりしますが, 実家ではずっと「ハハハッ」と笑いながらかぶるんです。でも結婚して,主人と かぶろうとしたら「何や, それ」だって。この表現といい, 雰囲気が 関西! って感じでいいなぁ。(^^;)
それと, 豆まき。実家は小さい窓や戸からも全部まきます。2階のトイレから 始め, 各部屋, 1階のトイレ, ふろ場, 部屋の窓や戸, 押入れ, 最後に玄関で, 戸を閉めるとき,必ず「ピシャッ」と口で言い,鬼に閉めたと知らせるんです。 主人に,私の家族はおかしいって言われちゃった。でも姉に確かめたら 「うちもやってるでえ」って。
また, 明石に通勤する 新婚ホヤホヤの Aさんが こんなことを書いていた。今日は節分。やっはり恵方(今年は南南東)を向かって、巻き寿司の丸かじり。 いわしは昨日食べたから、本日は巻き寿司をいただきましょう。・・これを見て 新聞の折り込みを丹念にさがしたら, 確かに 右のような寿司屋のチラシが入っていた。 噂で聞くところによると, 寿司屋の団体?が 全国にこの習慣をはやらせようと 運動をしている ということだから, もしかして 関東地方でもこんなチラシが入っていたのではあるまいか。 ( ここ をクリックすると フルサイズの写真を表示)>
寿司屋のまわしものみたい・・恵方も寿司屋のチラシが確実に教えてくれる。
のせられているよな〜。
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そうそう, 上の文章に「いわし...云々」というクダリがある。 正直のところ 私はこの意味がわからなかった。
いろいろ調べたら, これは関西に限らず 全国で行われるということで,『イワシやメザシの(焼いた)頭を (ヒイラギの小枝に刺して) 玄関に飾るところがある。 また,節分の夜にこれらを食べる家庭もある。 「ヤイカガシ」とか「ヤキカガシ」と呼ばれる 』そうである。 さすがにこちらの方は 一般的には あまり見られなくなった習慣らしいが, 四国など一部では 今でも 鰯の頭を刺すトゲの付いた枝 (鬼ぐい)が売られているとか。
これらの由来は,「イワシやメザシを焼くととても匂うので, このにおいで 鬼を追い払う。ヒイラギの葉などには トゲがあるので鬼が嫌う」という意味があるのだそうだ。「 明治のはじめころまでは ほぼ全国的に 節分にはイワシの頭を刺していたが, 現在では豆まきだけに簡略化されてしまったところが多い。 イワシといっしょに ニンニク・らっきょう・ねぎ・髪の毛 などを置くところもあり 『ムシノキチヤキ』と呼ばれる。へぇ〜! そうなのか。 いやぁ, 節分といったら 豆をまくだけかと思ったら, いろいろあるんだ。
『イワシの頭も信心から』ということわざは この風習からきているものである」
『節分』についてもらったコメントの一部をご紹介。 (98.2.23 コメント追加)
「節分」読ませていただきました。
ちなみに・・某さんの飲み屋での話によると・・
節分の「巻き寿司」の話は寿司屋の悪巧みというより
「海苔や」業界だそうです。
某さん曰く、「寿司屋だったら、にぎりでもいいけど、
巻き寿司だけとなると、海苔やだろ〜」と
自信満々に話して下さいました。
飲み屋での情報なので・・真意の程は??・・。
⇒ 私もその後 某寿司屋のおかみさんに聞いてみたら, やはり
「あれは 海苔屋の陰謀よ」と言っていました。
「明石あたりでも ずっと前には節分に巻寿司を食べるなんて
習慣はなかった。一般化したのは 20〜30年前ぐらいかな〜」と。
節分はどちらかと言えば子供向きの、豆まき中心のユーモラスな行事、
と思ってきました。
それにしてもどの地方の風習だろうと、疑問に思っていたことがあります。
子供の頃、信州の私どもの家では、「鬼は外、福はうち」と豆をまく親父の
後ろを、私と弟がすりこ木をふり回しながら「ゴモットモ、ゴモットモ」と
掛け声をかけて家中ついて回りました。親父は大まじめ、こちらはおかしくて、
おかしくて腹を抱えながらついて歩いた懐かしい思い出ですが、このような
風習はどこかにあるのでしょうか。
親父は早く亡くなったし、その実家で祖父母たちはそんな風習を持っていなかった
ようです。長野市の商人の娘であった陽気な曾祖母が伝えたのかな、
などと推測しております。
⇒ 「ゴモットモ、ゴモットモ」ですか。これは面白い。
こういう 全国的な行事でありながら,地方によって違う
風習というのは なかなか面白いものですね。
私も どこかで間違っていたら 民俗学とか文化人類学なんて
ものをやっていたかもしれない...(^_^;)
家では 家長が豆を播き、その後に家族全員がシャモジを お公家さんのように持って ぞろぞろ歩くんだ。 その時家族は「もっともだぁー」、「もっともだぁー」と云わなくては ならないんだ。 友と節分の話をしていたら、彼の奥さんが インターネットでこのページを 探してくれました。 誰に聞いても そんな話、聞いたことがないと笑われ 一体何処の習慣なのだろうと 疑問に思っていました。 “ゴモットモ”と多少違いは有りますが、ホーラ見ろとばかりに合点がいった 気持ちです。 ⇒ オヤジが「鬼はうち〜」と豆をまき, 妻と子供たちが シャモジを |