淡路島
[98-05-10]
明石に住むようになって3年を過ぎたが, その間にすぐ目の前に見えている淡路島に行ったのは この3月までにわずか2回しかなかった。 それが, 明石大橋が開通してから2ヵ月の間に 既に3回も淡路島に渡った。
宇宙から見た淡路島と明石大橋
私にとって「明石大橋効果」は絶大なものがある。
明石からわずか4kmしか離れていない島なのだが やはり船で行くとなるとオックウで なかなか腰が上がらない。 それが 車で5分足らずで橋が渡れるとなると, 非常に気楽に行く気になれる。 なにしろ 明石からバスに乗れば30分, 橋のたもとの舞子からだと10分もあれば もう淡路島を歩いているのだから...しかし だからと言って これから毎週でも行くのかと問われれば, 残念ながら そんなことにはなりそうにない。 淡路島に頻繁に行く目的があまりないからである。
淡路島にどんな魅力があるのか 考えてみたが, あまり思いつくものがない。 とりあえずは 橋を渡ること, 淡路島公園をはじめとする近場の観光スポットに行ってみること, 震災記念館に行って生々しい断層の跡を見ること...などなど。 で次は...と考えてもあとが続かない。よく調べればいろいろあるのかもしれないが 何しろ情報不足で 淡路島内の交通事情も観光事情もよくわからない。
それは 淡路島に限らず 四国も同じで, 是非旅行してみようという魅力があまりない地域である。 せっかく交通インフラが整ったのに 情報面でのインフラがまだまだ足りないなぁ...とつくづく思う。ところで 3回の淡路島行きのうち 1回は, 明石大橋開通の直後に ある会合が淡路の洲本市で開催されたため, これに参加するために行った。 兵庫県の各地から総勢450人が 淡路で一番大きいと言われるホテルに集まったわけだが, 会合のあとの昼食が大変な騒ぎ。 何しろ 200人も集まれば一杯になりそうな場所に 立食パーティとはいえ 450人もの人が集まったわけだから, もう立錐の余地もないとはこのことで, 飲物を手にするにも 食べ物を確保するにも 誰かを押しのけて強引に割り込まないと 昼飯を食いっぱぐれてしまう状態。
淡路島から参加していた人が済まなそうに話してくれた所によると, このホテル以外にこれだけの人数を収容できる適当な場所がなくて, 本当は庭にテーブルを並べて会場にする予定だったのだが 雨のために急遽屋内でやったために こんな混雑になったのだとか。
「もともと淡路島でこんな大きな会合をやるのが無理なんだよ。 450人ものパーティをやったのは 淡路の歴史上初めてなんじゃないか...」
なるほど それで理解できた。そこで聞いた淡路島のこと。
- 淡路島の面積は だいたいシンガポールと同じ。 しかし人口は シンガポール 300万人に対して, 淡路(1市10町)は 16万人。
国内で別の比較をすると, 淡路島の面積は琵琶湖の面積と同程度。
- 上沼恵美子という 淡路島出身のタレントがいる。 彼女は「淡路島は私の家の庭」というような大きなことを言っているが, これを聞いて半分本気にしている人がいる(^^;)
そうでなくても これほど大きな島だとは思わなかったという人は多い。
- 淡路島は「兵庫県」である。このことを知らない人が結構いる。
歴史的に言えば, 明治になるまで 淡路国は阿波(=徳島)蜂須賀氏の藩領だったので, 当然 徳島県になってもよかったのだが, どういうわけか兵庫県に編入されてしまった。
- 交通が不便で大きな産業がないのに 大阪・神戸などの大都市が近いため, 若者はどんどん外に出てしまい 人口は徐々に減少してきた。
とにかく島内は労働力不足。 最近ある企業が淡路に事業所を作って 人集めしようとしたら, 働く人がいない。 仕方がないから神戸でパートタイマーを雇って通勤バスで運ぼうか, などという笑い話のような話がある。
- 洲本のホテルでパーティーをやると一苦労する。 若い女性(コンパニオン)が集まらないので, たいていは徳島から来てもらう。
- “海あり山あり田んぼあり”と言われ, 食べることに関しては贅沢。
海産物では 鯛・タコ・アナゴ・ハモ... これは明石と全く同じ。明石の「対岸」なのだから当然か(^^)
しかし 淡路へ観光に来てこの贅沢さに巡り会うのは結構難しい。 魚にしても野菜にしても新鮮で良いものを食べているのは地元の漁師や農家。 淡路島の旨いもんが食べたかったら,これらの方とお友達になるのが一番。
(裏返せば 観光客の受け入れ態勢が整っていないということではないか)
- 結構いろんな地場産業がある。
線香 江戸時代から続いていて 現在でも生産量は日本一。
全国の7割を生産している。瓦 これも日本一の生産量。
阪神大震災で重い瓦屋根で家がつぶれ, 最近の主流は軽量瓦。玉葱 生産は北海道についで全国第2位。 淡路牛 神戸牛や松坂牛のルーツ。
島外での販売は昭和50年ごろから。吹き戻し 全国の90%以上を淡路島で作っている。
〔吹き戻し〕紙の筒を口にくわえて息を吹くと先端がスーッと伸びる。 その後, 先からクルクルと戻ってくるアレ。
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