発祥の地bannar
前橋市常備消防発祥
 [まえばししじょうびしょうぼうはっしょう]


場所
群馬県前橋市大手町2丁目
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JR両毛線の前橋駅から北に400m。“けやき並木通り”に面する日本生命ビルの北隣に、2階建ての小型の建物が建っている。正面上部に「前橋市消防団」という名前が表示されていて、壁面には「前橋市消防団第1分団2部車庫詰所の沿革」という銘板が取り付けられている。

明治に入り、江戸時代の“町火消”などの消防制度が廃止され、代わりに“消防組”が新設された。半官半民の消防夫(非常勤)が、火災時に緊急出動して消火活動を行う仕組みで、現在の“消防団”に相当する組織であった。人口密度の高い都市部では常勤の消防組も組織された。
前橋市においては、昭和初期に常勤の消防機関が組織され、その詰所兼消防車の車庫としてこの建物が建設され、現在に至るまで使用されてきた。

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撮影日
2015年2月 (写真提供 H.O.さん)
碑文
前橋市消防団第1分団2部車庫詰所の沿革

 昭和3年当時の地図によれば、現在の前橋市消防団第1分団2部車庫詰所がある位置は、田中町(当時の町名)にあたるが、当初、駅寄り、南に約50m離れた場所に建てられていた。当時は、警察業務との関係から警察署と一緒の場所にあり、専任消防手を配置したことから、前橋市常備消防発祥の建物と推測される。
 この建物の竣工は, 『前橋市事務報告書 自昭和三年一月至昭和三年一二月』によれば昭和三年一二月二〇日とされている。さらに備考に「コンクリート施行期厳寒の為遅延し目下工事中」とあることから、すくなくも昭和3年度末(1929年)には完成したものと思われる。前述のとおり、この建物は建設当初地から現在地に戦災復興区画整理事業に伴い曳き家移転されたと思われ、現在地において数度の改修を経て現在に至っている。
 我が国においては、建物としての鉄筋コンクリート造は明治30年代(1897年)後半にその実例が現れるとされる。はじめは東京など大都市で用いられたようであるが、徐々に地方都市にもその使用が普及した。前橋では、群馬県庁昭和庁舎が昭和3年、群馬会館が昭和4年,(旧)麻屋デパートが昭和8年(1933年)に建設されている。この建物は、こうした例と同様、県内に現存する鉄筋コンクリート造建物として貴重な建物であり、歴史的にみて地域文化財として重要な価値を持つ建造物と考えられている。


 
前橋市常備消防発祥碑
前橋市常備消防発祥 碑
前橋市消防団第1分団2部車庫詰所
前橋市消防団第1分団2部車庫詰所
大型のビルに囲まれた小さな建物


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