旅来の渡し
[たびこらいのわたし]
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場所 |
北海道中川郡豊頃町旅来
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コメント |
JR根室本線の新吉野駅から南に6km。
国道236号が十勝川を渡る“十勝河口橋”の北西5kmの地点, 十勝川の西岸に 黒い立派な石碑が建っている。
国道336号(通称 襟裳国道)は, 北海道浦河から太平洋岸に沿って釧路市まで通じる道路。
現在は ここより下流に架かる“十勝河口橋”で十勝川を渡っているが,
橋が完成する(1992=平成4年)以前には 国道に橋はなく, この地点で 渡船が連絡するという
「国道渡船」のある道路だった。車は通れず 人と自転車を運ぶ ごく小型の渡し船(定員5名)であった。
国道が海を渡る“海上国道”は 東京湾(富津〜横須賀)をフェリーで横断する国道16号(東京環状道路)など,
現在でも 全国に20を超える例があるが, 川を船で渡る国道は この旅来渡船を最後に姿を消している。
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撮影日
| 2008年2月 (写真提供 徳利旅さん) |
碑文
| 旅来渡船記念の碑
旅来渡船は, 明治四十年五月に開設されて以来, 今日まで
八十五年余の永きにわたり, 地域の足として, 人々に愛され,
親しまれ, 利用されてきましたが, この度, 一般国道三三六
号の十勝河口橋が完成したことから, その役割を果たし終え
ることに成りました。
本渡船は, 人や物を乗せて十勝川を渡るとともに, 明治,
大正, 昭和, そして平成へと移った時代の流れも渡り続け,
最後は国道に残された唯一の渡船として, その歴史を閉じる
ことになった次第です。
この歴史的渡船場跡を後世に伝えるため, ここに碑を建立
し記念とします。
平成四年十二月八日
帯広開発建設部長 木本喬之 揮毫
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