万願寺渡船場跡
「万願寺の渡し」(谷保の渡し)は, 現在の
国立市谷保と 日野市石田(万願寺)を結ぶ「甲州街道」の重要な渡しでした。
この渡し場は, 慶安年間(1648〜1652)に開設されたといわれ,
それまではここより下流の「石田の渡し」(府中市三屋〜日野市石田)が使われて
いました。
「甲州街道」は, 慶長年間(1596〜1615)に 徳川家康 が開設したものであり,
当初は段丘下を通っていましたが, たび重なる多摩川の洪水により,
貞享元年(1684)の改修で 現在の甲州街道に近いものになったと伝えられます。
このときの改修により, 渡しも上流の「日野の渡し」が使われるようになりました。
その後, 万願寺の渡しは, 近隣住民の足として 長い間利用されましたが,
大正15年(1926)に 日野橋ができたことにより廃止されました。
平成5年3月 国立市教育委員会