2000.11.19 「羅漢」のコメントページを追加
2000.11.23 コメントページを更新 |
『ラカンさんがそろったら まわそじゃないか・・・』という 子供の遊び歌がある。
子供のころ, この「ラカンさん」というのが何のことか ずっと疑問だった。
どうやら「羅漢さん」らしい, ということに気がついたのは
大人になってから,それもずっと後になってからだった。
しかし 羅漢 とは何だろう。
広辞苑を引くと
らかん【羅漢】=阿羅漢(アラカン)の略。 仏教の修行の最高段階、また、その段階に達した人。 もとは仏の尊称にも用いたが、後世は主として小乗の聖者のみを指す。と書いてある。要するに ホトケ様 ではなく, 仏教の教えを究めた人のことを 指すらしいのだが どうもシックリ来ない。
加西の五百羅漢 (兵庫県加西市) |
「親が見たけりゃ北条の西の五百羅漢堂にござれ」という言葉が地元に 伝わるそうで, 一体ずつ探していくと, どこか親に似た顔がある という意味だという。
どれも 素朴で平面的な彫り方の像ばかりだ。
加西の羅漢寺については 数年前にここに書いたことがあるので, 詳しくはそちらを見てください。
愛宕念仏寺の千二百羅漢 (京都市嵯峨野) |
この寺に入ると, 本堂の周囲・裏山の斜面・道路際のわずかな空き地など,
境内いたるところに羅漢像が置かれていて, その数は 1200体を超えるという。
置かれている場所によっては 苔むした状態のものもあるが,
どれも 顔の表情が豊かで 彫り方が現代的だ。
それもそのはず。これらの羅漢像は 今から20年前に,
公募に応じた人たちが自由に彫ったものだという。
裏山の斜面は 羅漢像で埋まっている。
カメラを持った像, 数珠を手にした像, 夏目漱石を持った像 ・・・
いろいろな羅漢像があって みているだけで楽しい。
下の写真の 女の子の像は, 口紅をさして可愛い。
⇒ この他の 愛宕寺の羅漢さんは こちら
喜多院の五百羅漢 (埼玉県川越市) |
ここに 五百羅漢像が並んでいる。全部で 540体あるそうで, 羅漢像を作りはじめてから 50年かかったという記録があるそうだ。 どれも いかにも「羅漢」という感じの像で, これなら 仏につかえる 尊者を彫ったものだ と納得できる。
五百羅漢寺 (東京都目黒区) |
ここは 江戸時代(元禄年間)に 江戸の本所に建立された 由緒あるお寺で,
5代将軍・綱吉が「五百羅漢寺」という寺号を与えたと言われ
「本所のらかんさん」として栄えた。
明治時代末に 目黒に移転した後は ずっと荒れ果てていたが,
昭和56年に 近代的な建物が建てられたという。
本堂に置かれた大型の羅漢像は, 江戸時代(元禄年間)に 松雲元慶という 仏師が一人で 十数年かけて彫りあげたもの。 現在は 全部で305体あるが, もともと 536体あったと言われる。
よその羅漢さんが 皆 石像であるのに対して, ここの羅漢さんは 大きな金色の木彫で, 仏像が並んでいるようにも見える。 圧巻である。