99.3.15 コメントのページ新設 |
1月中旬に 淡路島へ水仙を見に行ってきた。
この日は たまたま 日本列島に大寒波が来ている時で, とにかく寒かった。
震えながらの水仙見物というのは あまりいただけない。
花を愛でるには ポカポカと小春日和の陽気の時に限る。
『淡路島と言えば タマネギと水仙』 なのだそうだ。 切り花として水仙を栽培している農家は多いのだろうが, 鑑賞用に公開されているところは 淡路島といえども多くはない。 有名な所は 「灘黒岩水仙郷」と「立川水仙郷」の2ヶ所。 いずれも 淡路島の南端で, 本州側から行こうとするとかなり遠くて不便な場所である。
淡路島なんて小さな島なんだから 遠いと言っても どうってことないだろう と思うかもしれないが, 淡路島というのは結構大きな島なのだ。 直線距離で南北60キロ。高速道路で一気に縦断するだけでも 1時間はかかる。 ましてや高速道路から離れた最南端にたどりつくのは 相当に大変であった。
朝9時, 吹きっさらしの高速舞子バス停でバスを待つ。
今にも降りだしそうな怪しげな天気で 気温は猛烈低い。おまけに風も強い。
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写真中央の オレンジ色のリュックを背負ったオバサンは 登山着を着て完全武装。
あとで聞いたところによると, 目的地は私と同じで, 水仙を見るために わざわざ大阪から
朝5時起きして来たという。がんばるなぁ...
普段温暖なところに住んでいると,
寒いといっても たいしたことはあるまいとタカをくくって
適当な服装で出てしまうクセがついてしまっている。
いざ こういう場面になると 鼻水たらして震えることになる。困ったもんだ。
福良行きの高速バスで 約1時間半。
すぐ目の前が四国という 淡路島南インター経由で終点の福良に到着する。
ここから ローカルバス路線に乗り換えて 水仙郷まで50分かかる。
このバスは 普段は水仙郷の1キロ手前の 灘 というところが終点だが,
水仙の季節のみ 水仙郷まで延長運転される。
何しろ一日4本(平日には2本!)のバスだから 目的のバスを逃がしたら大変だ。
時間になったら運転手がやってきて発車。乗客は6人。
さっきの大阪から来たというオバサンも乗っている。
地図で見るとどうってことのなさそうな距離なのだが,
海岸に出るまで30分ぐらいかかり, そこから海沿いの道を行く。
突然 広くはない道路の両側に駐車している車がたくさん。
一方通行状態でノロノロと行くと, 水仙郷に到着。
海から 狭い道路一本を挟んで,
45度もあるかと思われる角度で立ち上がっている山の急斜面に ビッシリと水仙。
水仙の甘い香りがただよう。
山の上まで 斜面をクネクネと登る遊歩道。
ここをゆっくりと 前の人の尻を見ながら登る。
淡路島は 全体が温暖な気候であるのに加えて, この場所は 南斜面で日当たりがよく,
さらに 北風が山にさえぎられるという地形のために 水仙が早い時期に咲くのだという。
しかし この日は特別寒い日で, さすがの温暖の地でも 寒いことに変わりはない。
海から山に向かって吹きつける風を避けることもできない。
7ヘクタールの面積があり, 500万本の水仙が自生しているという。
12月末から 2月いっぱい 咲き続ける。
水仙という花は園芸植物のように思われるが,
もともとは 暖かい地方の海岸に自生している野草で,
三浦半島, 房総半島 ・・・ などの海岸沿いには小さな群落がいくつもある。
規模が大きく全国的にも有名なのが
淡路島の灘黒岩水仙郷
福井県の越前岬
伊豆下田の爪木崎
の3ヶ所。これらを合わせて「三大水仙郷」というらしい。
(日本人は 「三大XX」が好きだ)
一カ所の群落としては ここ淡路島が最大規模だそうだ。
ここの水仙の種類は ニホンズイセンと呼ばれる 一重咲きの品種で,
シンプルな白い花弁。まあ 水仙の原種に近いと思われるもの。
園芸用として好んで栽培される ラッパスイセンなどの改良品種は,
もっと色が濃くて 花も大型。
園芸種の水仙は早春に花開くが, 自生している水仙は完全な冬咲き。
水仙はヒガンバナ科の植物。香りが良く 外観が清楚な感じを与えるために好まれ
広く栽培されるようになったのだろう。
花の後に実はならず, 球根 (本当は 地下の花茎) が分かれて増えていく。
上に書いたように, 日本の水仙自生地は なぜか海に面している所が多いが,
その理由は 水仙の球根が波に流され 海岸に漂着して自生したからだ,
という説があるそうだ。おもしろい。
水仙郷の山の上から 西に向かって見下ろすと, こんな風景が見られる。
海から 道路一本を挟んで急峻に切り立った山の斜面。
花の少ない冬に 一面の花畑が見られるのは なかなかいいものだ。
最近は この水仙郷も宣伝が行き届いてきて,
私のように衝動的に訪問する観光客が増えてきたようだが,
それにしても 交通の便が悪い。道路も狭い。
何とかならんものか...
The Daffodils William Wordsworth I wander'd lonely as a cloud That floats on high o'er vales and hills, When all at once I saw a crowd, A host of golden daffodils, Beside the lake, beneath the trees Fluttering and dancing in the breeze. Continuous as the stars that shine And twinkle on the milky way, They stretch'd in never-ending line Along the margin of a bay: Ten thousand saw I at a glnce Tossing their heads in sprightly dance. The waves beside them danced, but they Out-did the sparkling waves in glee:− A Poet could not but be gay In such a jocund company! I gazed− and gazed− but little thought What wealth the show to me had brought. For oft, when on my couch I lie In vacant or in pensive mood, They flash upon that inward eye Which is the bliss of solitude: And then my heart with pleasure fills And dances with the daffodils.